最近はサウナに関する専門用語を耳にする機会が増え、その意味が分からず戸惑ってしまう初心者の方も多いのではないでしょうか。
「ととのう」など一部の有名なワードは何となくイメージできても、「あまみ」や「ドラクエ」といった用語は言葉から意味を掴みづらいかと思います。
そこで本記事では、サウナブームで生まれた主なサウナ用語を解説。
基本ワードから知っていると一目置かれる最新スラングまで、ひとつひとつ丁寧に紹介していきますので、ぜひ参考にしてくださいね。
サウナの基本的な用語
サウナ用語 | 意味 |
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サウナー | サウナをこよなく愛する人のこと。 |
あまみ | サウナ後に肌に出る赤いまだら模様。 |
サウナ難民 | 入りたいサウナに入れず彷徨う人のこと。 |
サウナトランス | サウナで得られる恍惚状態。 |
サ活(さかつ) | サウナに通う活動や習慣。 |
ととのう | サウナ後に訪れる究極のリラックス状態を指す。 |
羽衣 | 水風呂で体を包むぬるい水の層。 |
サウナー
「サウナー」とは、その名の通りサウナをこよなく愛する人のことです。日常的にサウナに通い、サウナで整う爽快感に魅了されているような人を指し、サウナ愛好家の愛称として定着しました。
サウナーという呼び名は、サウナ好き同士の会話やSNSでもよく使われています。
あまみ
「あまみ」とは、サウナと水風呂を繰り返し利用した際に皮膚に現れる赤いまだら模様のことです。腕や脚などにキリン柄のような斑点が浮かび上がる現象で、一見すると火傷や湿疹のようにも見えます。
このまだら模様の正体は「温熱性紅斑(おんねつせいこうはん)」という生理現象で、血行が良くなった証拠とも言われています。
あまみが出ても特に害はなく、しばらく時間が経てば自然に消えていきます。
サウナ難民
「サウナ難民」とは、行きたいときに行けるサウナ施設が見つからず彷徨っている人たちを指す俗称です。
近年の第3次サウナブームによりサウナ利用者が急増した一方、施設の数や収容人数は追いつかず、入りたくても入れない状態が各地で発生しています。
例えば人気サウナが混雑や予約制で入れなかったり、旅先でサウナ施設が見当たらなかったりすると、「今日はサウナ難民だ…」といった使い方をします。
サウナトランス
「サウナトランス」とは、サウナで心身がトランス状態(恍惚状態)に陥ることを指す表現です。
サウナ室と水風呂、休憩を繰り返すことで得られる多幸感やふわふわとした感覚のことで、いわば「ととのう」状態のことを指すスラングになります。
頭がスッキリ冴えて身体が宙に浮くようなあの感覚を、まるでトランス状態に入ったかのようだと表現したのが始まりです。
「サウナハイ」と呼ばれることもあり、病みつきになるほどの快感であることからこうした俗称が定着しました。
サ活(さかつ)
「サ活」とは「サウナ活動」の略で、定期的にサウナに通い温冷交代浴を行うことや、サウナに関する活動全般を指す言葉です。
日々の生活の中にサウナ通いを組み込んでいる様子を表し、SNSではサウナに行った記録を「#サ活」として投稿する人も多く見られます。
また広義には単にサウナを楽しむ行為全般を意味します。
ととのう
「ととのう」とは、サウナ・水風呂・休憩を繰り返した後に訪れる恍惚感や多幸感で心身が満たされた状態を表す言葉です。もともと一部のサウナ愛好家の間で生み出された俗語でしたが、その独特な体験を表現する言葉として瞬く間に普及しました。
サウナで芯まで温まった体を水風呂で一気に冷やし、外気浴で休んでいると、頭がスッと冴えて体が宙に浮くような快感に包まれる瞬間があります。
これが「ととのう」状態です。いわゆるランナーズハイならぬ“サウナハイ”とも言われ、味わった人にしか分からない究極のリラックス感として2021年の新語・流行語大賞にもノミネートされました。
羽衣
「羽衣(はごろも)」とは、水風呂に静かに浸かった際に体のまわりにできるぬるい水の層のこと。冷たさを和らげ、長く快適に水風呂に入れる状態を指します。
これによって水風呂の冷たさを感じにくくなり、まるで水中に羽衣をまとったように心地良く長く浸かっていられるのです。
この不思議な現象は漫画『サ道』で紹介されたことで広く知られるようになりました。羽衣を感じられるかどうかは水温や体感によりますが、一度羽衣ができると水風呂がとても穏やかに感じられるでしょう。
サウナの種類に関するサウナ用語
サウナ用語 | 意味 |
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ケロサウナ | 希少なケロ材を使った高級サウナ。 |
テントサウナ | テント内で楽しむ移動式サウナ。 |
ドライサウナ | 乾燥した高温低湿のサウナ。 |
フィンランド式サウナ | ロウリュで湿度を上げる伝統的サウナ。 |
ホームサウナ | 自宅に設置された個人用サウナ。 |
ミストサウナ(スチームサウナ) | 高湿度低温の霧状蒸気サウナ。 |
塩サウナ | 塩を塗って発汗や美肌を促すサウナ。 |
ケロサウナ
「ケロサウナ」とは、「ケロ」と呼ばれる希少な木材で造られたサウナのことです。ケロとは樹齢200年以上のアカマツ(パイン)が100年近く立ち枯れして乾燥したもので、フィンランド北極圏で採取される貴重な木材です。
その木肌は銀色がかった独特の風合いを持ち、芳醇な香りが楽しめるのが特徴となっています。ケロ材で組まれたサウナ室は保温性・断熱性にも優れており、本場フィンランドでは古くからサウナ小屋の素材として親しまれてきました。
他のサウナでは味わえない重厚な香りと雰囲気を堪能できるため、日本でもケロサウナを導入する施設が増えつつあります。
テントサウナ
「テントサウナ」とは、その名の通りテント内で楽しむ簡易式のサウナです。耐熱・防水仕様の専用テントを組み立て、中に薪ストーブや簡易サウナヒーターを設置して使用します。
キャンプ場や川辺など屋外の好きな場所でサウナを体験できるのが魅力で、アウトドアブームとも相まって人気が高まっています。
テントサウナは持ち運びや設営が比較的容易なため、最近ではイベントやフェスでの出張サウナとして見かけることもあります。
ドライサウナ
「ドライサウナ」とは、湿度の低い高温環境のサウナを指します。一般的に室温90〜100℃前後、湿度20%以下程度に保たれた乾燥したサウナで、日本のスーパー銭湯やジムのサウナに多く見られるタイプです。
乾式サウナとも呼ばれ、汗をしっかりかける反面、空気が乾燥しているため息苦しさを感じにくく長時間入りやすい特徴があります。
湿度の高いサウナに比べると肌や喉が乾燥しやすいため、合間に水分補給を心がけるとよいでしょう。
フィンランド式サウナ
「フィンランド式サウナ」とは、本場フィンランドにおける伝統的な様式のサウナです。室温はおおむね60〜80℃程度とやや低めに設定され、サウナストーンに水をかけて蒸気を発生させることで湿度を高める「ロウリュ」を行うのが特徴です。
日本で一般的な遠赤外線ヒーター主体の乾式サウナ(80〜100℃・低湿度)と比べ、フィンランドサウナは低温多湿でじっくりと身体を芯から温めることができます。
ホームサウナ
「ホームサウナ」とは、個人の住宅内に設置されたサウナ設備や、自宅で楽しめるコンパクトなサウナのことです。近年のサウナブームにより「自宅にマイサウナを持ちたい」という人も増えており、家庭用のサウナキットや一人用サウナボックスなど多彩な商品が登場しています。
浴室の一角に小型サウナユニットを組み込んだり、ワンルームにも置けるテント型サウナを利用したりと、その形態はさまざまです。
仕事の合間や就寝前に手軽に“サ活”できることから、ホームサウナを導入する家庭も徐々に増えています。ただし設置には換気や電源などの条件が必要になるため、購入時には専門業者と相談しながら進めるのが一般的です。
ミストサウナ(スチームサウナ)
「ミストサウナ」(スチームサウナ)とは、高温の蒸気を満たした湿度の高いサウナです。室温は40〜60℃程度と低めですが、湿度が80〜100%と非常に高いため、肌にしっとりと汗をかくことができます。
霧状の細かな蒸気に包まれることで呼吸がしやすく、のどや鼻を潤しながら発汗できるのが特徴です。熱苦しさが少ないためサウナが苦手な人でも入りやすく、美肌や保湿効果を期待して女性に人気があります。
塩サウナ
「塩サウナ」とは、塩を使って発汗や美肌効果を高めるスタイルのサウナです。多くはミストサウナの一種として室温50℃前後・高湿度に保たれたサウナ室に塩が備え付けられています。
利用者はひとつまみの天然塩を手に取り、身体に擦り込むようにマッサージしながら発汗を促します。塩のスクラブ効果で毛穴が開き汗とともに老廃物が出やすくなるほか、血行促進によるデトックス効果や肌の引き締め効果も期待できます。
サウナのサービスに関するサウナ用語

サウナ用語 | 意味 |
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アウフグース(熱波) | タオルで熱波を送るパフォーマンス。 |
ウィスキング | ヴィヒタで身体を叩き血行促進する技法。 |
オートロウリュ | 自動で水がかかるロウリュ装置。 |
セルフロウリュ | 自分で水をかけて行うロウリュのこと。 |
ロウリュ | サウナストーンに水をかけて蒸気を出す行為。 |
外気浴(がいきよく) | サウナ後に外気に当たり休憩すること。 |
上段・下段 | サウナ室内の座る高さの違い。 |
熱波師(ねっぱし) | アウフグースを行う専門スタッフ。 |
おかわり | 追加の熱波をリクエストすること。 |
アウフグース(熱波)
「アウフグース」とは、サウナ室内で熱したサウナストーンに水やアロマ水をかけ(ロウリュ)、発生した蒸気をタオルなどで仰いで浴びせるサービスのことです。
ドイツ発祥のサウナサービスで、日本では「熱波(ねっぱ)」とも呼ばれます。専門のスタッフがリズミカルにタオルを回し、利用者に熱い蒸気の風を送り届ける様子は一種のパフォーマンスとなっており、サウナの醍醐味の一つとして人気です。
ウィスキング
「ウィスキング」とは、サウナ室で白樺やオークの枝葉を束ねたヴィヒタを使い、相手の身体を軽く叩いたり擦ったりするサウナマッサージのことです。
フィンランドやロシアの伝統的なサウナ文化「ロシア式バーニャ」で行われてきたもので、血行促進やリラクゼーション効果があるとされています。
温まった身体にヴィヒタを押し当てると、植物の爽やかな香りが立ち上り、心地よい刺激が全身に伝わります。日本でもウィスキング体験を提供するサウナ施設が登場しており、エステ感覚で楽しめる新サービスとして注目されています。
オートロウリュ
「オートロウリュ」とは、サウナストーブに備えられた自動散水装置により、定期的にロウリュが行われる仕組みのことです。決まった時間になるとサウナストーンに自動で水がかけられ、室内に蒸気が立ち込めます。
人手を介さずとも定期的に熱波を発生させることができるため、大型サウナ施設などで導入が進んでいます。「◯分ごとにオートロウリュ発動」などと案内されていることも多くあります。
セルフロウリュ
「セルフロウリュ」とは、利用者自身が桶の水をひしゃく(ラドル)で汲んでサウナストーンにかけ、蒸気を発生させる行為のことです。
文字通りセルフサービスで行うロウリュであり、フィンランドの家庭式サウナでは一般的な楽しみ方です。ただし、日本の公共のサウナでは勝手なロウリュは禁止されている場合も多いため、「セルフロウリュ可」と明示された施設のみで行いましょう。
セルフロウリュが可能なサウナ室には、常備された桶と柄杓、アロマ水などが用意されていることが一般的です。
ロウリュ
「ロウリュ」とは、フィンランド語でサウナストーンに水をかけて蒸気を発生させる行為のことです。もともとは行為そのものを指す言葉ですが、日本では蒸気浴の総称やアウフグースも含めた意味で使われる場合があります。
熱した石に水を注ぐとジュッという音とともに水蒸気が立ち上り、サウナ室内の体感温度と湿度が一気に上昇します。これにより発汗作用が高まり、短時間で効率よく体を温めることができます。
ロウリュはサウナの醍醐味として世界中で親しまれており、「ロウリュサービスあり」と掲げる施設はサウナ好きから高い支持を得ています。
外気浴(がいきよく)
「外気浴」とは、サウナと水風呂でほてった体を外の新鮮な空気にさらしながら休憩することです。熱と冷水で刺激を与えた体を一度リセットし、自律神経を整えるために欠かせないプロセスとして、多くのサウナーが重視しています。
サウナ室から出たら、まずシャワーなどで汗を流し、水滴を拭き取ってから椅子やベンチに腰掛けましょう。屋外の風に当たると火照りが引いて心拍数が落ち着き、次第に頭が冴えてリラックスした感覚に包まれていきます。
「ととのう」状態を引き出すためには、この外気浴でしっかり体を休めることが重要です。
上段・下段
「上段・下段」とは、サウナ室内の座る位置(段差)における上の段と下の段を意味する言葉です。サウナ室の空気は高温のほど軽く天井付近に溜まるため、一般に上段ほど温度が高く、下段ほど低くなります。
経験者の多くはより高温を求めて上段に陣取りますが、初心者や長く入っていたい人は下段でじっくり汗をかくのもおすすめです。
「ととのいたいけど熱いのは苦手…」という場合は無理せず下段に座り、自分に合った温度で楽しみましょう。上段・下段をうまく使い分けることで、同じサウナ室でも快適に過ごすことができます。
熱波師(ねっぱし)
「熱波師」とは、サウナ室でアウフグース(熱波)サービスを行うパフォーマースタッフの呼称です。大型タオルや団扇(うちわ)を駆使してサウナ室内の熱い蒸気を仰ぎ、利用者に熱波を届けるプロフェッショナルです。
「熱波師」という名称は日本独自の呼び名で、ドイツで正式な講習を修了した人は「アウフギーサー」とも呼ばれます。
熱波師による豪快かつ巧みなパフォーマンスはサウナの魅力を大いに引き立て、イベントとして開催されることもあります。彼らの振るう熱波に合わせて一体感を味わえるのも、サウナならではの楽しみですね。
おかわり
「おかわり」とは、アウフグースやロウリュサービスの一連の熱波が終了した後に、追加でもう一度熱波を送ってもらうことです。
通常、スタッフ(熱波師)が「おかわりいかがですか?」と声をかけてくれるので、それに応じて手を挙げたり返事をしたりしてリクエストします。何も言わず自発的に要求するのはマナー違反とされているので注意しましょう。
サウナグッズやアイテム用語
サウナ用語 | 意味 |
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アロマオイル・アロマウォーター | サウナ室に香りを広げるための香料。 |
ヴィヒタ(ヴィータ) | 白樺の枝葉を束ねたサウナ用マッサージ道具。 |
オロポ | オロナミンCとポカリスエットを混ぜたサウナドリンク。 |
サウナエプロン・サウナ巻き | サウナ内で身に着ける布製のカバー。 |
サウナサンダル | サウナ施設内で履く濡れても平気なサンダル。 |
サウナバッグ / ポーチ | サウナグッズをまとめて運ぶ専用バッグ。 |
サウナハット | 頭皮や髪を熱から守るための帽子。 |
サウナポンチョ / バスローブ | サウナ後の体温保持用に羽織るガウン。 |
サウナマット | サウナベンチに敷いて使う個人用マット。 |
サウナ砂時計・温度計・湿度計 | サウナ内の時間・温度・湿度を測る計器。 |
サ飯(さめし) | サウナ後に食べる食事。 |
ポータブルファン | 外気浴時に使う携帯用の扇風機。 |
ロウリュ用バケツ・ラドル | ロウリュ用の水を汲むためのバケツと柄杓。 |
整いイス・リクライニングチェア | 外気浴用に使う休憩用の椅子。 |
アロマオイル・アロマウォーター
サウナ用の「アロマオイル」や「アロマウォーター」とは、サウナ室で香りを楽しむための精油やフレーバー水のことです。
ユーカリやミント、檜(ひのき)などリラックス効果のある香りが多く、数滴垂らしてロウリュに用いたり、香炉で焚いたりして使用します。
香りの蒸気に包まれることでリラックス効果や爽快感が増し、より心地よく発汗することができます。施設によっては日替わりでアロマ水を用意しているところもあり、「今日は柑橘系のアロマロウリュです」などと案内されます。
自宅サウナの場合はお気に入りの精油を用いて、自分好みの香りに満たされた空間でサウナを楽しむことができます。
ヴィヒタ(ヴィータ)
「ヴィヒタ(ヴィータ)」とは、フィンランドのサウナで使用される白樺の枝葉を束ねた束(サウナウィスク)のことです。上述のウィスキングで体に叩きつけるための道具で、乾燥させた白樺の束を水に戻して用います。
ヴィヒタをサウナストーブの上で振って水滴を飛ばすと室内の湿度が上がり、叩くと血行促進のマッサージ効果が得られます。
また、白樺の爽やかな香りにはリラックス効果もあるため、サウナ室内に心地よいアロマが広がるという利点もあります。日本でも一部のサウナ施設やイベントでヴィヒタを使ったサービスが登場しており、興味を持つサウナーも増えています。
オロポ
「オロポ」とは、オロナミンCとポカリスエットを1:1の割合で混ぜ合わせたサウナドリンクの俗称です。
オロナミンCの炭酸ビタミン飲料とポカリスエットの電解質飲料を掛け合わせることで、ビタミンやミネラルを効率よくおいしく補給できることから生まれた飲み方です。
サウナで大量に汗をかいた後、ほどよい甘さと酸味のあるオロポは喉越しも良く、まさに身体が求める一本としてサウナーに愛飲されています。
施設によっては最初から混合された「オロポ」をメニューに置いていることもあり、サ飯タイムのお供として定番化しつつあります。
サウナエプロン・サウナ巻き
「サウナエプロン」および「サウナ巻き」とは、サウナ入浴時に身につける布製の衣類です。主に共用のサウナ施設で男女が一緒にサウナ室に入る際や、肌の露出を控えたい場合に使用されます。
サウナエプロンは首からかけて身体の前面を覆うエプロン型の防熱着で、サウナ巻きはバスタオルにボタンやゴムを付けて胴に巻き付けられるようにしたものです。
どちらも肌を直接ベンチに当てずに済む衛生面のメリットや、熱から皮膚を守る効果があります。近年はおしゃれなデザインの専用サウナエプロンも販売されており、サウナ女子を中心に人気を集めています。
サウナサンダル
「サウナサンダル」とは、サウナ施設内で履くためのサンダルのことです。館内移動用のスリッパや下駄の代わりに用いられ、軽量で濡れても平気な素材でできています。
サウナ後の清潔な足で履くサンダルとして、自前のものを持参するサウナーもいます。特に常連のサウナーは、水虫などの感染予防の観点から施設の共用サンダルではなく自分専用のサウナサンダルを利用する場合もあります。
濡れた床でも滑りにくい仕様になっているものが多く、サウナ・水風呂・休憩スペースを行き来する際の必需品となっています。
サウナバッグ / ポーチ
「サウナバッグ」または「サウナポーチ」とは、サウナに行く際に必要な道具をまとめて入れる専用バッグです。
タオルやシャンプー、着替え、化粧品、さらには水分補給用のドリンクやサウナハットまで、サウナに持ち込みたいアイテムは意外と多いもの。そうしたグッズ一式をスマートに収納できるよう、防水性や速乾性に優れた素材で作られたバッグが各種販売されています。
大きめのトート型から小型のポーチ型まで形状もさまざまで、自分のスタイルに合わせて選ぶ楽しさもあります。
サウナハット
「サウナハット」とは、サウナに入る際に頭を高温から守るために被る専用の帽子です。フェルトやウール素材で作られており、厚手で断熱性が高く頭部の熱を和らげる効果があります。
長時間サウナに入っていると髪の毛や頭皮が熱でダメージを受けたり、のぼせの原因になったりしますが、サウナハットを被ることでそれらを防ぐことができます。
フィンランドやロシアでは昔から一般的に使われてきましたが、日本でも最近は利用者が増えており、可愛らしいデザインのものやユニークな形状のものがSNSで話題になることもあります。
サウナポンチョ / バスローブ
「サウナポンチョ」や「バスローブ」とは、サウナから出た後に身体を包んで保温するための着衣です。サウナポンチョは頭からすっぽりとかぶるポンチョ型のタオル地ガウンで、バスローブは前開きで羽織るタイプの厚手ガウンです。
いずれもサウナで火照った体が冷えすぎないように保温しつつ、水気を吸収してくれる役割があります。外気浴の際にサッと羽織れば、冬場でも寒さを感じにくくゆっくり休憩できます。
最近ではアウトドアサウナ向けにフード付きのサウナポンチョが人気で、吸水速乾性に優れたマイクロファイバー素材のものなど各メーカーから販売されています。
サウナマット
「サウナマット」とは、サウナ室内で座る際に敷く小型のマットやタオルのことです。木製のベンチに直接座ると汗で濡らしてしまったり熱く感じたりするため、多くの施設では使い捨てのサウナマットやタオルを配布しています。
お尻の下に敷いて座ることで、清潔さの維持と熱さの軽減につながります。自分専用のサウナマットを持参する人もおり、アウトドア用の折りたたみマットや速乾タオルを利用しているケースもあります。
サウナマットはサウナ室の衛生管理上とても重要なアイテムで、「マットを敷かずに直接座る」のはマナー違反となる場合もあるので注意しましょう。
サウナ砂時計・温度計・湿度計
「サウナ砂時計」「温度計」「湿度計」は、サウナ室に備え付けられている計測器具です。砂時計はサウナ室での経過時間を測るためのもので、5分や10分を計れるようになっています。
のぼせ防止のためにも時間を意識することは大切で、多くの人は砂時計が落ちきる前後を目安にサウナ室から出るようにしています。温度計と湿度計はサウナ室内の温度と湿度を示すもので、壁に設置されている丸いアナログ計器が一般的です。
温度計で室温を確認し、自分の体調や好みに応じて上段・下段を選んだり、湿度計でロウリュのタイミングを図ったりと、サウナーにとって欠かせないアイテムとなっています。
サ飯(さめし)
「サ飯(さめし)」とは、サウナ後に摂る食事(サウナ飯)のことです。サウナでたっぷり汗をかいた後は、全身の血行が良くなり味覚も冴えるため、何を食べても普段以上に美味しく感じられるものです。
「サ飯」として人気のメニューには、整った身体に染み渡るコールドコーヒー牛乳やオロポはもちろん、塩分補給にぴったりなラーメンやお茶漬け、さらにはサウナ施設ご自慢の定食などバリエーション豊かです。
ポータブルファン
「ポータブルファン」とは、サウナ後の外気浴時などに使用する携帯型のファン(扇風機)のことです。
近年では充電式のハンディファンを持ち歩くサウナーも増えており、火照った体にそよ風を当ててクールダウンするのに役立ちます。外気浴スペースに自然な風がない場合でも、自分専用の風を起こせるので便利です。
特に夏場の屋外では、うちわ代わりに扇風機で風を送り体を冷やすと一層「ととのう」感覚が深まるとされています。コンパクトなUSBファンから首掛け式、強力な工業用ファンまで、人によって愛用するポータブルファンは様々です。
ロウリュ用バケツ・ラドル
「ロウリュ用バケツ」と「ラドル」は、サウナ室でロウリュを行うための水桶と柄杓(ひしゃく)のことです。
フィンランド式サウナには欠かせない伝統的な用具で、金属や木製の耐熱バケツに水やアロマ水を入れ、長柄のひしゃく(ラドル)で汲んでサウナストーンにかけます。これにより蒸気を発生させるロウリュが完了します。
桶とラドルは対になって販売されており、家庭用サウナを持っている人が購入したり、サウナ好きへのプレゼントとして贈られることもあります。
整いイス・リクライニングチェア
「整いイス」や「リクライニングチェア」とは、サウナ後の休憩(外気浴)時に使用する椅子や寝椅子のことです。
水風呂でクールダウンした後に腰掛けて体を休めるための設備で、プラスチックのデッキチェアやリクライニング可能な椅子が一般的です。
ととのいイスとも呼ばれ、深く腰を沈めて仰向けになれる椅子に身を預けると、血流が脳に戻っていく感覚とともに強い多幸感に包まれます。
外気浴用の椅子が充実した施設はサウナーから「整いスポット」として高く評価され、椅子の数が少ない場合は“椅子待ち”が発生するほどです。サウナでしっかり汗を流したら、整いイスでゆったりと余韻を楽しみましょう。
サウナ施設や器具などに関するサウナ用語
サウナ用語 | 意味 |
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産湯 | 初めて整った思い出のサウナ施設。 |
サウナストーブ | サウナ室を加熱するヒーター装置。 |
サウナストーン | ロウリュ用に熱せられる耐熱石。 |
シングル・グルシン | 水温が10℃未満の超冷水風呂。 |
水風呂 | サウナ後に体を冷やす冷水浴槽。 |
産湯
「産湯」とは、初めてサウナで「ととのう」体験をした思い出の入浴施設を指す俗語です。サウナにハマるきっかけとなった“産まれた場所”という意味合いで使われており、「あなたの産湯はどこ?」といった会話で登場します。
例えば「自分の産湯は○○温泉だ」などといえば、「自分がサウナに目覚めて整いを初めて味わったのは○○温泉だ」という意味になります。
なお、本来の日本語としての産湯は赤ちゃんが生まれて初めて入るお風呂のことですが、サウナ用語ではそこから転じて「サウナーとして生まれた場所」というニュアンスでユニークに用いられています。
サウナストーブ
「サウナストーブ」とは、サウナ室を加熱するための炉(ヒーター)のことです。サウナ室の心臓部とも言える存在で、内部にサウナストーン(焼石)を積み上げて使用するタイプが一般的です。
電気ヒーター式や薪(まき)ストーブ式など種類がありますが、いずれも高温に熱した石により空気を暖めています。フィンランド式サウナなどでは、このストーブに水をかけてロウリュを行うため、ストーンが乗ったストーブが必ず設置されています。
電気式の場合は温度センサーやタイマーで安全管理されており、薪式の場合は煙突が備わっていて香ばしい香りが楽しめます。
サウナストーン
「サウナストーン」とは、サウナストーブに積まれる耐熱性の石のことです。玄武岩や閃緑岩など熱しやすく冷めにくい石が使用され、サウナ室内に熱を蓄えて均一に放出する役割を担っています。
ロウリュを行う際にはこの石に水をかけ、水分を一気に蒸発させて蒸気を発生させます。サウナストーンは定期的に交換が必要な消耗品でもあり、長期間使っていると劣化してひび割れたり発熱効率が落ちたりするため、プロのサウナ施設ではメンテナンスの一環として石の入れ替えが行われます。
ストーンの種類や大きさによってサウナ室の体感温度も微妙に変わるため、世界のサウナ愛好家たちは自分好みのサウナストーンにもこだわりを持っています。
シングル・グルシン
「シングル」「グルシン」とは、水風呂の水温が10℃未満(1桁台)であることを示すサウナ用語です。
もともと水温表示が一桁になるほど冷たい水風呂を指してサウナーたちが使い始めた俗称で、「シングル」は英語の“シングル”、それをもじった「グルシン」はシングルを逆から読んだ言葉です。
標準的な水風呂の水温はおよそ16〜18℃程度と言われますから、それに比べるとシングル水風呂の冷たさは格別です。一部の猛者サウナー達はこの超低温の刺激を愛してやまず、「シングルでしっかり締めると最高に整う」と好んでチャレンジしています。
水風呂
「水風呂」とは、サウナで火照った体を冷やすために入る冷水のお風呂のことです。サウナ室で十分に温まったら、水風呂に数十秒〜1分程度浸かって体を冷やすのが一般的なサウナの入り方です。
水温は施設によって様々ですが、15〜20℃前後に設定されていることが多く、この温度帯が「気持ちよく整えるベスト」とも言われます。
水風呂に入る前には汗を流すシャワーやかけ湯を忘れずに行い、マナーを守って利用しましょう。冷水による血管の収縮で全身に血液が巡り、サウナの熱との温冷刺激によって爽快なととのい感を得られるのが水風呂の醍醐味です。
サウナ内でのさまざまな行動に関するサウナ用語
サウナ用語 | 意味 |
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サウナストレッチ | サウナ内で行う軽い柔軟運動。 |
サウナトーク | サウナ室内で交わす会話。 |
サウナトレーニング・サウナ筋トレ | サウナ内で行う軽度の筋力トレーニング。 |
サウナ瞑想・サウナメディテーション | サウナ内で行う静かな瞑想。 |
スマホサウナ | サウナ室にスマホを持ち込む行為。 |
ドラクエ | 集団でゾロゾロ移動するサウナ利用行為。 |
マフィア | 無断でロウリュを行う迷惑行為。 |
塩揉み | 塩で体を擦って発汗や美肌を促す行為。 |
交代浴・交互浴 | 温冷を繰り返す入浴法で血行促進。 |
寝サウナ・寝ころびサウナ | 横になって入るスタイルのサウナ。 |
サウナストレッチ
「サウナストレッチ」とは、サウナの中でストレッチ(柔軟体操)を行うことです。体が温まって筋肉がほぐれやすくなっているサウナ室内は、軽いストレッチにはうってつけの環境です。
肩や首を回したり、腰をひねったり、足を伸ばしたりといった無理のない範囲のストレッチを行うことで、血行がさらに促進され、サウナのリラックス効果も高まります。
ただし、公共のサウナ室内では場所を取りすぎず周囲に迷惑をかけないよう配慮が必要です。
サウナトーク
「サウナトーク」とは、サウナ室内で行う会話(おしゃべり)のことです。サウナ仲間との語らいや初対面同士の交流など、サウナ室でのトークを楽しみにしている人もいます。
ただし一般的にはサウナ室では静かに過ごしたい人も多いため、大きな声でのおしゃべりはマナー違反とされています。
特にグループで訪れてサウナ室を占拠しお喋りをする行為は「ドラクエ行為」(後述)の一因にもなりかねません。会話をする際は小声で手短に、周囲の雰囲気を乱さない範囲で楽しむのが大切です。
サウナトレーニング・サウナ筋トレ
「サウナトレーニング」または「サウナ筋トレ」とは、サウナ室内で軽い運動や筋力トレーニングを行うことです。極度の高温環境で運動をするのは危険を伴いますが、無理のない範囲で短時間の運動を取り入れる例もあります。
たとえばプロボクサーが減量目的でサウナスーツを着てランニングをするように、格闘家やアスリートが発汗と心肺機能の強化を狙ってサウナ室で軽いスクワットや体幹トレーニングを行うことがあります。
ただ一般のサウナ利用者が真似をするのはリスクが高いため、もし行う場合は自己責任で周囲に配慮し、ごく短時間に留めることが重要です。
サウナ瞑想・サウナメディテーション
「サウナ瞑想」または「サウナメディテーション」とは、サウナ室内で瞑想(メディテーション)を行うことです。
目を閉じて静かに呼吸を整えながら自分と向き合う時間は、サウナの熱によるリラックス効果も相まって非常に心地よいものです。サウナ室の薄暗さと静けさは瞑想に適しており、雑念が消えて心がスッと澄み渡る感覚を味わえます。
実際、サウナを定期的に利用する人の中には精神安定やメンタルヘルス向上のためにサウナ瞑想を取り入れている方もいます。ただし長時間の瞑想でのぼせてしまわないよう、自分の体調と相談しつつ行いましょう。
スマホサウナ
「スマホサウナ」とは、スマートフォンを持ち込んでサウナに入ること、またはサウナ室内でスマホを操作する行為を指します。スマホで動画を見たり音楽を聴いたりしながらサウナに入りたいという人もいますが、基本的にはあまり推奨されません。
まず高温多湿の環境は精密機器であるスマホに悪影響を与え、故障の原因になり得ます。また、周囲の人から見てもマナーの良いものではなく、せっかくのサウナの非日常感が損なわれてしまう恐れもあります。
どうしても利用したい場合は防水スマホケースに入れる、音漏れに注意するなど最低限の配慮をしましょう。
ドラクエ
「ドラクエ」とは、複数人のグループがサウナ室・水風呂・休憩スペースをパーティーのようにぞろぞろと一緒に移動する行為を指す俗称です。
人気RPGゲーム『ドラゴンクエスト』で主人公に仲間キャラが連なってついて行く様子に由来し、大勢でかたまって行動する姿がまさに“サウナ版ドラクエのパーティー”に見えることから名付けられました。
大学生くらいの若者グループに多く見られる行為で、他の利用者からは騒々しくスペースを占領するマナー違反として嫌煙されています。自分たちは盛り上がっていても周囲には迷惑となるため、サウナでは節度を持って行動しましょう。
マフィア
「マフィア」とは、サウナ室内で許可なく勝手にセルフロウリュ(ロウリュサービス)を行い、サウナの温度を必要以上に上げてしまう行為を指す俗称です。
周囲の同意を得ずにいきなり水を撒いて室温を上昇させるさまを、あたかも陰で暗躍するマフィアのようだとしてこう呼びます。
語源はとあるスマホゲームの広告で「サウナの温度を操作してボスを倒すシーン」があったことにちなむと言われ、サウナ好きの間で半ばジョークのように広まりました。
もちろん実際には非常識な行為であり、他の利用者の迷惑にもなるため厳禁です。
塩揉み
「塩揉み」とは、サウナや蒸し風呂の中で塩を使って体を揉みほぐしながらマッサージすることです。
いわゆる塩サウナで行われる行為で、肌に塩を塗り込んで発汗を促しつつ、塩の粒子で古い角質を落とすピーリング効果も期待できます。
円を描くように優しく体を擦れば血行も良くなり、新陳代謝が高まってお肌がつるつるになるとされています。塩揉みをするときは、塩が目に入らないよう注意しながら、肌に優しくマッサージするのがコツです。
終わった後はシャワーできれいに塩を洗い流し、水風呂でしっかりと引き締めましょう。
交代浴 / 交互浴
「交代浴」または「交互浴」とは、温かいお湯(温浴)と冷たい水風呂(冷浴)に交互に入る入浴法のことです。
サウナの一般的な利用方法そのものでもあり、サウナ後に水風呂、そして休憩と、一連の温冷刺激を繰り返すことで自律神経に適度な刺激を与えます。
温浴で血管が拡張し、水風呂で収縮するという変化が血流をポンプのように促進し、全身に酸素と栄養が行き渡ります。その結果、疲労回復や冷え性の改善など健康増進に役立つとされています。
交代浴は古くから「温冷浴健康法」として知られ、整う感覚を得るための基本テクニックとしてサウナーに親しまれています。
寝サウナ / 寝ころびサウナ
「寝サウナ」または「寝ころびサウナ」とは、横になって入るスタイルのサウナです。
一般的なサウナでは着座がマナーですが、一部の施設には床にゴロ寝できる「寝ころびスペース」や畳敷きのサウナ室を用意しているところもあります。
横になることで重力から解放され全身の力が抜け、より深いリラックス状態を味わえるのが魅力です。ただし、多人数が利用するサウナ室内で寝転ぶのは場所を取ってしまうため、許可された専用スペース以外では控えましょう。
また、寝てしまうとのぼせに気づかず危険ですので、意識が朦朧とする前に切り上げることも大切です。貸切サウナや個室サウナでは自由に寝サウナを楽しんで、身体の芯からリラックスしてみてください。
まとめ
サウナ初心者が知っておきたいサウナ用語を【完全版】としてご紹介しました。
最初は聞き慣れない言葉ばかりかもしれませんが、それぞれの意味が分かればサウナの世界がぐっと身近に、そして奥深く感じられるはずです。
サウナ室で隣のサウナーが何気なく発した用語の意味が分かれば、あなたももうサウナー仲間の一員と言えるでしょう。
「ととのう」感覚を味わいながら、今回覚えた用語を頭の片隅に、ぜひ充実したサウナライフを楽しんでくださいね。
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