サウナで整う(ととのう)ってなに?整うためのコツやサウナの効果、注意点も徹底解説

サウナブームが続く中、「整う(ととのう)」という言葉をよく耳にするようになりました。しかし、実際に「整う」とはどういう状態なのか、どうすれば体験できるのかわからない方も多いのではないでしょうか。

本記事では、サウナで「整う(ととのう)」とは何か、その科学的メカニズムから、初心者でも実践できる整うためのコツ、サウナがもたらす疲労回復や快眠などの健康効果、そして注意すべきポイントまで徹底解説します。

正しい知識と方法を身につけることで、サウナ初心者の方でも「整い」を体感でき、サウナライフをより充実させることができるでしょう。これからサウナデビューする方も、すでにサウナ愛好家の方も、ぜひ参考にしてみてください。

目次

サウナで「整う」とはサウナ後の極上のリラックス状態を意味する

「整う(ととのう)」という表現は、サウナ愛好家の間で生み出された俗語で、サウナ後に訪れる非日常的な深いリラックス状態を意味します​。

具体的には、サウナでしっかり温まり水風呂で冷やした後、体がふわっと軽くなって頭が冴え渡るような爽快感に包まれる瞬間を指します​。これがいわゆる「整う(ととのう)」感覚です。

一種のトランス状態とも表現され、いわゆるランナーズハイにも似ていることから「サウナハイ」や「サウナトランス」と呼ばれることもあります。

サウナで整うとどうなる?整う(ととのう)ことで得られる5つの体に良い効果

サウナで整うことで、一体どのような効果が得られるのでしょうか。体への良い影響を5つ紹介します。

自律神経バランスのリセットされストレス耐性が向上する

サウナで整う最大の利点の一つが、自律神経のバランス調整です。サウナと水風呂の交互利用により、交感神経と副交感神経の切り替えを繰り返すことで自律神経の調整力が鍛えられます。

この「温冷交代浴(おんれいこうたいよく)」のプロセスが自律神経を整え、ストレス耐性を向上させる効果があります。

サウナの高温環境は体に軽いストレスを与え、それに適応しようとする過程でストレス耐性が高まります。同時に、エンドルフィンやセロトニンといった幸福感をもたらす神経伝達物質の分泌が促進され、ストレス軽減に繋がります。

自律神経のバランスが整うことで睡眠の質も向上し、疲労回復効果も期待できます。サウナで心身をリセットすることで、日常生活での活力を取り戻すことができるでしょう。

ヒートショックプロテイン(HSP)が増加し疲労回復につながる

サウナの高温環境に身を置くと、体内でヒートショックプロテイン(HSP)という物質が増加します。HSPは細胞を保護・修復する働きを持つタンパク質で、体温が38℃以上に上昇すると顕著に増えます。

このHSPが疲労の原因となる細胞のダメージを修復し、全身の疲労回復を促進します。サウナ後に一時的に体がだるくなるのは、HSPが疲労物質の分解や組織修復を進めているサインです。

さらにHSPは免疫細胞も活性化するため、風邪などに負けにくい体づくりにも貢献します。サウナで「整う」ことで、疲労回復と免疫力向上という2つの恩恵が得られるのです。

脳内快感ホルモンの分泌され多幸感やふわふわとした浮遊感をもたらす

サウナで整うと、脳内では「幸福ホルモン」と呼ばれる物質が分泌されます。代表的なものが、鎮痛作用と多幸感をもたらすβエンドルフィン、心に安らぎを与えるオキシトシン、精神を安定させるセロトニンです。

これらのホルモンは「脳内麻薬」とも呼ばれ、サウナと水風呂の温冷刺激によって分泌が促進されます。特にサウナ浴後の外気浴では、リラックス状態でありながら脳内に快感物質が残っているという特殊な状態になります。

この作用により、身体が宙に浮いたようなふわふわとした浮遊感と何とも言えない多幸感に包まれ、心身のストレスが解放されます。

血流が活性化し肩こりや冷え性を緩和する

サウナで体温が上がると血管が拡張し、心拍数も増加するため、心臓から送り出される血液量が増えて全身の血行が促進されます。

サウナと水風呂を交互に利用する「温冷交代浴」では、血管の収縮と拡張を繰り返すことで血管の伸縮が促され、末端の毛細血管まで血液が巡るようになります。

この血行促進効果により、筋肉の緊張がほぐれてデスクワークなどで慢性的に悩まされる肩こりや首・腰のコリが緩和されます。

また、冷え性の方にも効果的で、サウナで体の芯から温まると末梢血管まで血液が行き渡り、冷えていた手足もポカポカと温まります。

深部体温コントロールが鍛えられ季節の変わり目でも体調を崩しにくくなる

サウナと水風呂を繰り返す温冷交代浴は、体の深部体温を調節する機能を鍛えてくれます。サウナで深部体温が上昇し、水風呂で表面の血管が収縮することで、体温調節のための自律神経の反応が活性化されます。

一説では、”サウナに入ると自律神経の活動が活発になり体温調整が上手になるため、暑い環境に適応できる”とされています。

この体温調節機能の向上は熱中症予防にも役立ち、季節の変わり目の気温変化にも体が適応しやすくなります。

サウナで整う(ととのう)状態が起こる仕組み

では、なぜサウナでそのような「整う」状態が起きるのでしょうか。ここでは身体の中で起こっているメカニズムを解説します。

自律神経 – 興奮とリラックスが同時に起こりギャップ効果が生じる

サウナで整う感覚の背景には、自律神経の特殊な現象があります。通常、交感神経(興奮モード)と副交感神経(リラックスモード)はシーソーのように働きますが、サウナでは両者が同時に活性化する珍しい状態が生じます。

サウナと水風呂で体が興奮状態になりアドレナリンが分泌されたまま、外気浴で副交感神経が一気に優位になることで、「興奮」と「リラックス」が同時に存在する特殊な状況が生まれます。

この「ギャップ効果」が整いの正体の一つです。

サウナ室→水風呂→外気浴という急激な環境変化で自律神経を大きく揺さぶれば揺さぶるほど、そのギャップも大きくなり、整う度合いも増します。

脳内ホルモン – 快感物質や幸せホルモンが分泌され多幸感を得る

先にご紹介した通り、サウナ浴は脳内で「快楽」や「幸福感」を与えるホルモンの分泌を促進します。サウナの熱気による軽いストレスに対して、体は防衛反応として脳内に快楽物質を放出します。

サウナで「整う」と感じる状態は、これら脳内物質の作用によるもので、日常ではなかなか体験できない深いリラックスと多幸感をもたらします。

血流と血圧 – 血管の拡張と収縮運動で脳への酸素供給が増える

サウナと水風呂の温度差は血管の拡張と収縮を促し、血圧変動をもたらします。サウナでは血管が拡張して血圧がやや下がり、水風呂では血管が収縮して血圧が上昇します。

この血管の収縮と拡張の繰り返しは「血管トレーニング」となり、血管の柔軟性を高めます。特に水風呂で上昇した血圧が外気浴で適正に下がる過程で、脳内には大量の酸素と栄養が送り込まれます。

これが頭がスッキリする爽快感につながり、「整った」感覚を生み出す要因となっています。

サウナで整う(ととのう)ことは体に悪いのか

整う状態になると、意識がぼんやりしたり体がフワフワしたりするため、「体に悪いのでは?」と心配する声もあるようです。ここでは、サウナで整うことの安全性について説明します。

適切なクールダウンと休憩を取れば危険な状態にはならない

適切なクールダウンと休憩を取れば、サウナで「整う」ことは危険ではなく、むしろ健康に良い効果をもたらします。整いの感覚はランナーズハイに似た生理現象で、正常な反応です。

安全に整うためのポイントは、サウナ→水風呂の後に必ず5〜10分の休憩を取り、心拍数や体温を落ち着かせることです。また、こまめな水分補給や、外気浴の際に体を拭いて風に当たりすぎないなどの工夫も大切です。

適切な手順を守れば、整うことで体調を崩すことなく爽快感を得られます。心地よい範囲でサウナを楽しみ、無理をしなければ、サウナは安全で健康的なリラクゼーション法です。

吐き気やめまいがする状態はのぼせに該当するのですぐ対処が必要

サウナで吐き気やめまいを感じたら、それは「のぼせ」の状態です。

「整う」感覚とは異なり、不快な症状を伴います。整った状態では心地よい浮遊感や爽快感があり意識もはっきりしていますが、のぼせると目が回るような感覚や吐き気を感じます。

のぼせを感じたらすぐにサウナ室から出て、涼しい場所へ移動しましょう。座るか横になって安静にし、水分補給を行ってください。頭や顔、足を濡れタオルで冷やすのも効果的です。

サウナで整う(ととのう)ための入り方

ここからは、サウナで安全かつ効果的に整うための具体的な入り方を説明します。初心者の方でも実践しやすいよう、順を追ってポイントを押さえていきましょう。

サウナ前の準備 – 体を洗い脱水予防のため入室前にコップ一杯以上の水分を補給する

サウナ前の準備として、まず体を洗い清潔にしましょう。これはマナーであり、また発汗しやすくなります。体を洗った後は水滴を軽く拭き取ってください。濡れたままだと熱が奪われ十分に温まれません。

脱水予防のため、入室前にコップ一杯以上の水分を補給することが重要です。ミネラルウォーターやスポーツドリンクで塩分も摂るとより効果的です。アルコールは利尿作用があるため避けましょう。

サウナ室 – 6分から12分を目安に無理せず自分のペースで過ごすし体を芯から温める

サウナ室では6〜12分を目安に過ごし、体を芯から温めましょう。初心者は6〜8分から始め、慣れたら徐々に延ばすとよいです。

サウナ室の温度は通常80〜90℃前後です。上段ほど熱く、下段は比較的穏やかなので、初めは下段から試すのがおすすめです。

入室後は、ゆっくりと鼻から吸って口から吐く深呼吸を繰り返し、リラックスしましょう。のぼせやすい方は濡れタオルを頭に置くか、サウナハットを使用するとよいでしょう。

水風呂 – 30秒から2分を目安に冷たさに慣れるまで静かに待つ

水風呂ではまずシャワーで汗を流してから入りましょう。入る際は手足から徐々に浸かり、最後に胸まで入ると負担が少なくなります。

冷たさに慣れるまで静かに待ちます。目安は30秒〜2分程度で、水温や体調に合わせて調節してください。最初は冷たく感じますが、次第に体が順応して心地よくなってきます。

肩まで浸かったらリラックスし、ゆっくり深呼吸しましょう。指先や足先がジンジンしてきたり、震えを感じたら上がるタイミングです。水風呂が苦手な場合は無理せず、冷水シャワーで代用してもOKです。

休憩(外気浴) – 水風呂後は体を軽く拭き外気浴スペースで5-10分ほど休憩する

水風呂から出たら体の水滴を軽く拭き取り、外気浴スペースで5〜10分休憩しましょう。この時間が「整う」感覚を味わうための重要な瞬間です。

椅子に深く腰掛け、足を伸ばして全身の力を抜き、できれば目を閉じてリラックスします。横になれるスペースがあれば横たわるのも効果的です。

数分経つと体の内部から心地よい感覚が広がり、心身が軽くなる「整った」状態を体験できます。

繰り返す – 整う感覚をしっかり得るにはこのサイクルを2から3セット繰り返すのがおすすめ

サウナ→水風呂→休憩のサイクルは2〜3セット繰り返すのが理想的です。1回目より2回目、2回目より3回目の方が体が温冷刺激に慣れ、より深い「ととのい」を体験できます。

多くのサウナ愛好家は「3セット目が最も整う」と言いますが、初心者は2セットから始め、慣れてきたら3セットに挑戦するとよいでしょう。全体で30分〜1時間程度の時間がかかります。

4セット以上繰り返す人もいますが、その場合は脱水と疲労に一層注意が必要です。一般的には3セットも行えば十分な効果が得られるため、ほどほどのところで切り上げるのが良いでしょう。

最後はシャワーで汗を流し、常温の水でゆっくり水分補給して終了です。

サウナで整う(ととのう)ことに関するよくある質問

サウナの整うとめまいの違いはどうやったらわかりますか?

「整う」ときと「めまい」が起きているときでは、感じ方に明確な違いがあります。整っている状態では、心地よい浮遊感や爽快感があり、意識ははっきりしています。

一方、めまいを起こしている状態では、視界がぐるぐる回るような不安定感や、立っていられないほどのふらつきを感じ、吐き気など不快な症状を伴うことがあります​。

簡単に言えば、「気持ちいい」と感じていれば整っており、「気持ち悪い」と感じたらそれはのぼせやめまいです。整うときはリラックスして座っていられますが、めまいの場合は体が言うことを聞かずしゃがみ込みたくなるでしょう。

「早く横になりたい」「吐きそう」と感じるなら、それは整いではなく危険なのぼせです。

サウナで整うとヒートショックの違いはなんですか?

サウナで「整う」とは、温冷交代浴によって血管の収縮・拡張がスムーズに行われ、脳内ホルモンの分泌も相まって心地よい快感を得る状態です。体がポジティブに反応し、リラックス効果や疲労回復などの健康効果をもたらします。

一方「ヒートショック」は、急激な温度差によって血圧が危険なほど乱高下し、体が対応しきれず負担がかかる状態です。めまいや失神などの症状が現れ、最悪の場合は心筋梗塞や脳卒中を引き起こす可能性があります。

サウナ施設は温度管理がされていることが多く、正しく利用すればヒートショックのリスクは低いですが、体調不良時や高齢者、持病のある方は注意が必要です。

サウナで整うと気持ち悪いと感じるのですがこれは合っていますか?

サウナで「気持ち悪い」と感じるのは整っている状態ではありません。整いは本来「気持ちよい」感覚であり、不快感を伴うものではありません。

あなたが気分悪さを感じるのは、のぼせや軽い脱水症状が原因かもしれません。頻繁に気持ち悪いと感じるような場合は、サウナの入り方を調整してみましょう。

体質的にのぼせやすい場合は、低温サウナやミストサウナから始めるのも良いでしょう。決して不快な状態を我慢せず、吐き気や頭痛を感じたらすぐに休憩してください。

まとめ

サウナで「整う」状態について、その意味や効果、メカニズム、正しい入り方や注意点について詳しく解説してきました。

「整う」とはサウナ後に訪れる極上のリラックス&多幸感であり、自律神経の調整や疲労回復、ストレス解消など身体に様々な良い影響をもたらします。

ぜひ本記事を参考に、“ととのう”体験してみてください。

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